緊急事態宣言が全国に拡大されたことを受け、専門医機構として、改めて専攻医の皆さんへのご依頼を申し上げます。まずは専門研修中の専攻医の皆さんも感染症対策の診療に追われていることと拝察し、そのご努力に敬服いたします。
さて、COVID-19の終息には、まさに現代医学医療の力を結集して、全ての医療者が一丸となって、この事態を早期に収束させるべく英知と行動力を傾注すべきであると思われます。100年前のいわゆるスペイン風邪では、終息に2年を要し、1700万人余の死者をもたらしました。このような事態を現代医学医療がどこまで抑えることができるか試されているのです。
専攻医の皆さんはそれぞれの専門分野での研修が必須となっているわけですが、専門医機構としては、ここは専門にとらわれず、COVID-19診療に傾注していただくことが、我が国のみならず世界の危機を乗り越える上で極めて重要であると考えております。
研修されている病院により事情は異なると思いますが、研修病院の責任者の指示に従って、COVID-19の終息に向けて皆さんの力を発揮していただきたくお願い申し上げます。
前回も申し上げましたように、この間の研修については、関係基本領域学会にもお願いし、それぞれの専門研修の一環として認めていただくべくご依頼をしておりますので、研修病院の指示があった場合、専門研修についてはご心配なく感染症対策にご協力いただくようお願いいたします。当機構整備指針においても、研修期間中における6ヶ月の研修中断は認めており、後日この事態よる中断につきましては指針を発表させていただきますが、当機構といたしましても柔軟に対応させていただく予定です。
医療現場においては、COVID-19の感染に曝露される可能性は極めて高くなっていると思いますが、自らの感染防御策はもちろん健全な日常生活を送ることにより、最適な医療を患者に提供することこそがプロフェッショナルとしての専門医に課せられた責務であると思います。
くれぐれも自らの健康を維持することこそが適切な医療に資するということを念頭において、専門研修に臨んでいただきたいと切に願っております。
2020年4月24日
一般社団法人 日本専門医機構 理事長
寺本民生